「サウジアラビアってどんな国?」
石油の輸出で世界的な成功を収め、莫大な富を築いたサウジアラビア。
国土の大半が”灼熱の砂漠”である一方、都市部は超ハイテクという”二面性”も魅力のひとつです。
宗教の面でも非常に象徴的で、「イスラム教」と聞けば真っ先にサウジの名前が挙がるほど。
メッカやメディナの存在は、世界中のムスリムにとって特別な意味を持っています。
また、サッカーでは「アジアの強豪」として知られており、W杯では「ドイツにボコボコにされた」という過去もあれば、「アルゼンチンに大金星をあげた」という快挙も。
そして現在、もっとも注目されているのは代表チームではなく、国内リーグのほうかもしれません。
世界的スターの大量加入で、その存在感は年々増しています。
この記事では、サウジアラビアのサッカーだけでなく、「どんな国なのか?」という視点から、歴史・文化・産業の魅力までをわかりやすくご紹介します。
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【10分以内】で、気軽に読める記事がたくさんあります。
初心者の方も、サッカー通の方も、ぜひ楽しく読んでください。


サウジアラビアってどんな国?
Embed from Getty Images- 国名:サウジアラビア王国(西アジア)
- 首都:リヤド
- 国土面積:2,150,000㎢
- 人口:約3,700万人
- 言語:アラビア語
50℃を超える”砂漠の国”
Embed from Getty Images西アジアのアラビア半島に位置する国。
日本と同じく四季がありますが、なんといっても”50℃を超える夏の暑さ”が印象的です。
国土面積は日本の約6倍となる”215万㎢”。
その大半を砂漠が占めており、「ラクダに乗って砂漠を横断する」というイメージを持つ人も多いのでは?
Embed from Getty Images世界最大の産油国
Embed from Getty Imagesサウジアラビアといえば、世界でも有数の裕福な国。
その大きな理由が、「世界最大級の産油国であること」です。
莫大な量の原油を世界中に輸出してきたことで、国家として巨額の収益を得てきました。
その資金はインフラ整備はもちろん、サッカーやF1、eスポーツなど、さまざまな分野への投資につながっています。
一方で、石油に依存した経済に危機感を抱いていることも事実。
そこで進められているのが、未来都市「NEOM(ネオム)」を中心とした”脱・石油”の国家プロジェクトです。
砂漠に巨大な直線都市を建設するという壮大な計画は、サウジの新しい挑戦の象徴と言えるでしょう。(参照:Pen online)
イスラム教の聖地
Embed from Getty Images※”メッカ”に巡礼する様子。
サウジアラビア国民のほぼ全員がイスラム教の信者。
そしてサウジアラビアには、イスラム教徒にとっての”聖地”とも言える特別な場所があります。
- メッカ:巡礼の地
- メディナ:預言者ムハンマドが眠っているとされる場所
2つの聖地(アル・ハラマイン)があるため、サウジでは宗教と日常生活が深く結びついています。
祈りの時間にお店が一時的に閉まったり、豚肉やお酒が禁止されていたりと、独自の文化が根強く残っているのもそのため。
サウジを理解するうえで、”宗教が国を形づくっている”という点は、知っておきたい特徴のひとつです。
ちなみに、イスラム教において”豚肉が禁止”されている理由は、「豚は不浄(不潔)である」という神の教えから。
アルコールが禁止されているのは、「理性を失わせ、礼拝を妨げる」という理由です。
Embed from Getty Images※メディナの画像。
男女の違いが大きい国
Embed from Getty Imagesアラブ世界では、「男性が外で働き、女性が家庭を守る」という価値観が今も強く残っています。
サウジアラビアもその影響を受けており、”男性中心の社会”が続いてきました。
服装も特徴的で、男性はトーブ(白い長衣)、女性はアバヤ(黒い長衣)を着用するのが一般的。
街を歩くだけで、男女の違いがハッキリとわかる国です。
ただ、近年は男女格差が少しずつ縮小するなど、サウジアラビアは変化の途中。
観光客の受け入れにも寛容になり、世界との距離も少しずつ近づいています。
2034年サッカーW杯の開催地
Embed from Getty Images2034年W杯の開催地が”サウジアラビア”に決定。
2002年日韓W杯、2022年カタールW杯に続き、通算3度目のアジアでの開催になる予定です。
サウジはサッカーに本気で、その投資額はまさに桁違い。
FIFA(世界サッカー連盟)やAFC(アジアサッカー連盟)からすれば、これだけの資金力と熱量を持った国は非常に心強い存在でしょう。
一方で、近年はサウジやカタールへの”優遇”をめぐって、ファンの間で違和感の声が上がっているのも事実。
多額の投資が続く中で、「どこまでが中立で、どこまでがビジネスなのか?」という視点が注目されつつあります

サウジアラビアってサッカー強いの?
Embed from Getty Images- 愛称:グリーンファルコンズ
- FIFAランキング:60位(2025年12月時点)
- W杯出場回数:7回(2026年大会を含む)
- W杯最高成績:ベスト16(1994年)
サウジアラビア代表の特徴
Embed from Getty ImagesW杯には7回出場しており、1994年大会には初出場にしてベスト16進出。
アジア杯での戦績も優秀で、通算3回の優勝 は日本(4回)についで 2位タイ の成績。
身体能力の高い選手も多く、”アジアの強豪”という評価に間違いはありません。
ただ、近年は大きな問題が生じています。
後述しますが、サウジ国内リーグが”国家規模の投資”の影響で超絶強化中。
世界のTOPスターが集まり、リーグのレベル自体は凄まじい進化を遂げていますが・・・。
その反面、「サウジ代表選手が試合に出れない」という状況に陥っています。
“8-0”はサウジスコア
Embed from Getty Images「”8-0”=サウジスコア」。
そう呼ばれるようになったのは、2002年日韓W杯の”ドイツvsサウジアラビア”がキッカケです。
この大会で準優勝をするドイツ代表に、文字通りボッコボコにされたサウジ代表。
”クローゼの頭だけでのハットトリック”を含む、大量8失点での敗戦を喫しました。
あれから20年後の2022年カタールW杯。
この大会で優勝するアルゼンチンを相手に2-1での大金星。
歴史的勝利に湧き上がり、「試合の翌日が祝日になった」のは有名です。(参照:スポーツ報知)
Embed from Getty Images日本との対戦成績
Embed from Getty Images通算戦績:11勝5敗2分(日本から見て)
W杯アジア予選やアジア杯にて、幾度となく”激戦”を繰り広げてきた日本とサウジ。
アジアを代表する強豪同士で、そのライバル関係は現在も続いています。
ただ、近年は日本が優勢。
海外組の多さや選手層の厚さもあり、その差は対戦成績にも表れています。
注目選手
Embed from Getty Images2025年12月現在、欧州でプレーするのは2選手。
代表メンバーの大半がサウジ国内リーグでプレーしています。
欧州に匹敵する程にレベルが高いリーグではありますが、代表選手が試合に出られていないという点は明らかに代表活動への足枷に。
アル・ドサリ
Embed from Getty Images- 生年月日:1991年8月19日
- 所属クラブ:アル・ヒラル(サウジ)
- ポジション:MF
- 身長:171cm
※2019年にビジャレアル(スペイン)に所属。
モハメド・カンノ
Embed from Getty Images- 生年月日:1994年9月22日
- 所属クラブ:アル・ヒラル(サウジ)
- ポジション:MF
- 身長:192cm
アル・ブライカン
Embed from Getty Images- 生年月日:2000年5月14日
- 所属クラブ:アル・アハリ(サウジ)
- ポジション:FW
- 身長:181cm
アブドゥルハミド
Embed from Getty Images- 生年月日:1999年7月18日
- 所属クラブ:RCランス(フランス)
- ポジション:DF
- 身長:171cm
※ローマ(イタリア)からのレンタル移籍中。
アル・サハフィ
Embed from Getty Images- 生年月日:2004年2月17日
- 所属クラブ:アントワープ(ベルギー)
- ポジション:FW
- 身長:175cm
- 体重:kg
サウジアラビアのリーグは強いの?
Embed from Getty Images名称:サウジ・プロフェッショナルリーグ
2023年から、国家として本格的に投資を開始。(詳しくはこちら)
C.ロナウドやベンゼマなどのスター選手が一気に加入し、「移籍市場の主役の座を欧州から奪った」と話題になりました。
特に、国営4クラブへの投資額は桁違い。
戦力だけを見れば”欧州5大リーグ”でも上位に入れそうな戦力です。
サウジの国営4クラブ
・アル・ヒラル
・アル・ナスル
・アル・イテハド
・アル・アハリ
もちろん、アジアでの強さも別格級。
ACLに出場するJリーグ勢にとっても、”強敵”という表現では足りないほどの存在です。
※蹴り道FOOTBALLでは、『サッカーの放映権』についてまとめた記事を書いています。
「この国はリーグはどこで観れるの?」という疑問に解決できる内容になっています。
ぜひ一度ご覧になってください。

まとめ
”近年のサッカーへの投資額”でいえば、世界トップクラスでしょう。
長年のサッカーファンからは懐疑的な声もありますが、リーグ全体の強化は明らかです。
サウジ国内リーグは、西アジアの中でも群を抜くレベルへと進化。
世界的スターが集まることで、「欧州の舞台でも戦えるのでは?」 と感じるほどの存在感を見せています。
では、その投資が代表チームの強化につながるのか。
ここが今後の最大の注目ポイントです。
2034年サウジアラビアW杯に向けて、これまで以上の”本気の投資”を見せてきそうな気がします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


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