「コートジボワールってどんな国?」
カカオ豆の生産で世界的に知られる、西アフリカの国。
実はこの国、経済発展の高さから “西アフリカの優等生” と呼ばれることもあります。
そして、やっぱり一番耳にするのは サッカー。
中でも ディディエ・ドログバ は、一時代を築いたストライカーであり、”内戦を止めた英雄” として国の歴史に名を刻む存在です。
この記事では、コートジボワールのサッカーだけでなく、「どんな国なのか?」という視点から、歴史・文化・産業の魅力までをわかりやすくご紹介します。
「もっとサッカーが楽しくなる」をテーマに、ブログを書いています。
【10分以内】で、気軽に読める記事がたくさんあります。
初心者の方も、サッカー通の方も、ぜひ楽しく読んでください。

コートジボワールってどんな国?
Embed from Getty Images- 国名:コートジボワール共和国(西アフリカ)
- 首都:ヤムスクロ(中心都市はアビジャン)
- 国土面積:322,000㎢
- 人口:約2,800万人
- 言語:フランス語
象牙海岸
Embed from Getty Imagesコートジボワールは、かつてフランスの植民地で、1960年に独立して現在の“コートジボワール共和国”が誕生しました。
国名の 「Côte d’Ivoire(コートジボワール)」 はフランス語で 「象牙海岸」 を意味します。(参照:DIAMOND online)
その昔、この地域で”アイボリー(象の牙)の取引”が盛んに行われていたことが、その由来とされています。
独立後もフランスとの関係は非常に深く、移民としてフランスへ渡る人の割合も高い のが特徴です。
カカオ豆の生産量が世界No.1
Embed from Getty Imagesチョコレートやココアの原料となる”カカオ豆”。
その世界生産量の およそ4割 を占めているのが、コートジボワールです。
生産量はもちろん 世界No.1。
世界中のチョコレートメーカーが、コートジボワールのカカオを原料として使っています。
日本もカカオ豆を輸入していますが、意外にも 最大の取引相手はコートジボワールではなくガーナ。
それでも、コートジボワール産のカカオは重要な輸入先のひとつで、日本の食品産業とも深い関わりがあります。

”西アフリカの優等生”の治安は?
Embed from Getty Images※中心都市の”アビジャン”の様子。
カカオ豆やカシューナッツの生産量は世界有数。
エネルギー資源の開発でも存在感を示すなど、さまざまな文野で成果を残している国です。(参照:JETRO)
その発展ぶりから、ついたあだ名は”西アフリカの優等生”。(参照:JFTC)
「優等生なら、治安も良さそうだ!」。
そう思って調べてみたのですが……実は 治安は不安定。
都市部は比較的落ち着いているものの、他国との国境付近には”レベル3(渡航中止勧告)”が出されています。(参照:外務省)
ドログバが内戦を止めた
Embed from Getty Images2004~2005年にかけて行われた”ドイツW杯アフリカ予選”。
当時のコートジボワールは、内戦の影響で 南北に分断 されている状態でした。(参照:朝日.com)
そんな政情不安の中でつかんだ、史上初となる W杯出場権。
その瞬間、エースの ディディエ・ドログバ は、カメラの前でこう呼びかけます。
「武器を置いて、選挙をしよう」。
この言葉をきっかけに、国内で続いていた内戦は 一時停止。
そして翌年、ついに 内戦終結の瞬間 が訪れました。(参照:パラサポWEB)
そんな奇跡のようなエピソードから、ドログバは「サッカーの枠を超えた英雄」 として、いまも語り継がれています。
コートジボワールってサッカー強いの?
Embed from Getty Images- 愛称:エレファンツ
- FIFAランキング:42位(2025年11月時点)
- W杯出場回数:4回(2026年大会を含む)
- W杯最高成績:GL敗退
コートジボワール代表の特徴
Embed from Getty Imagesコートジボワール代表は、2006年ドイツ大会でW杯初出場。
その後、3大会連続(2006・2010・2014)で出場しましたが、いずれもグループステージ敗退となっています。
この結果を「意外」と感じる人は多いはず。
なぜなら、当時の代表にはドログバ、コロ&ヤヤ・トゥーレ兄弟、ジェルビーニョといった世界的なスターがずらりと揃っていたからです。
一方で、大陸内での戦いになると話は別。
アフリカネーションズ杯で通算3回の優勝 を誇る強豪国です。
近年では、2023年大会で優勝。
W杯では苦戦するものの、アフリカ地域ではトップクラスの実力を維持し続けています。
トルシエ監督とハリル・ホジッチ監督
Embed from Getty Images※トルシエ監督の写真。
日本代表とコートジボワール代表には、実は “ある共通点” があります。
それが、代表監督を務めた人物が重なっていること。
これまでに 2人の指揮官 が、”コートジボワール代表監督 → 日本代表監督” というキャリアを歩んでいます。
- フィリップ トルシエ
- ハリル ホジッチ
2人はともに「激情家」として知られる人物で、選手や協会と揉めていましたね・・・。
Embed from Getty Images※ハリル・ホジッチ監督の写真。
日本との対戦成績
Embed from Getty Images通算戦績:3勝2敗(日本から見て)
これまでに5回対戦し、日本が勝ち越し。
しかし、思い出されるのは”2014年ブラジルW杯での悪夢”ではないでしょうか?
本田圭佑のスーパーゴールで先制した日本代表。
「俺たちのサッカーでW杯優勝」というスローガンを掲げて挑んだザックJAPANへの期待は、あの瞬間、”希望から確信へ” 変わりつつありました。
しかし状況は、ドログバの途中出場 で一変。
彼がピッチに入った瞬間、コートジボワールはまるで別のチームのような迫力に。
攻撃の圧力は何倍にも増し、わずかな時間で立て続けに2失点。
逆転負けという結果以上に、”ドログバの存在そのものが脅威” と感じさせられた試合でした。
あの光景は、いまでも日本サッカーにとって小さくないトラウマかもしれません。
注目選手
Embed from Getty Images近年のコートジボワール代表には、かつてのドログバやトゥーレ兄弟のような“ビッグクラブの絶対的主力” と呼べる選手は多くありません。
しかし、欧州5大リーグでプレーする選手がチームの約半数を占めており、個々のレベルの高さは依然として健在です。
残りの半数は、ベルギー・トルコ・オランダといった欧州中堅国や、サウジアラビアをはじめとする中東クラブ でプレーしています。
フランク・ケシエ
Embed from Getty Images- 生年月日:1996年12月19日
- 所属クラブ:アル・アハリ・サウジ(サウジアラビア)
- ポジション:MF
- 身長:183cm
- 体重:76kg
※過去にACミラン、バルセロナなどでプレー。
ニコラ・ぺぺ
Embed from Getty Images- 生年月日:1995年5月24日
- 所属クラブ:ビジャレアル(スペイン)
- ポジション:FW
- 身長:183cm
- 体重:73kg
※2019~2023年にアーセナルでプレー。
エリック・バイリー
Embed from Getty Images- 生年月日:1994年4月12日
- 所属クラブ:レアル・オビエド(スペイン)
- ポジション:DF
- 身長:187cm
- 体重:77kg
※2016~2023年はマンチェスターUでプレー。
イブラヒム・サンガレ
Embed from Getty Images- 生年月日:1997年12月2日
- 所属クラブ:ノッティンガム・フォレスト(イングランド)
- ポジション:MF
- 身長:191cm
- 体重:77kg
エマニュエル・アグバドゥ
Embed from Getty Images- 生年月日:1997年6月17日
- 所属クラブ:ウォルバーハンプトン(イングランド)
- ポジション:DF
- 身長:192cm
- 体重:80kg
シモン・アディングラ
Embed from Getty Images- 生年月日:2002年1月1日
- 所属クラブ:サンダーランド(イングランド)
- ポジション:FW
- 身長:175cm
- 体重:68kg
コートジボワールのリーグは強いの?
Embed from Getty Images※ASECミモザの画像。
名称:リーグ・アン
1960年にリーグが創設され、トップカテゴリーには14クラブが参加。
西アフリカではよくあることですが、”若くしてフランスへ渡る” というキャリアが定着しており、
自国リーグでプレーした経験がない代表選手も珍しくありません。
「それだと、リーグのレベルは低めかな?」と思いますよね。
たしかに、アフリカ大陸内での存在感はやや控えめ。
しかし、過去には アフリカチャンピオン(CAFチャンピオンズリーグ)を2度輩出 している実績もあります。
特に有名なのが ASECミモザ。
若手育成に定評があり、ジェルビーニョ、サロモン・カルー、トゥーレ兄弟 など世界へ羽ばたいたスター選手たちも、このクラブの下部組織出身です。
※蹴り道FOOTBALLでは、『サッカーの放映権』についてまとめた記事を書いています。
「この国はリーグはどこで観れるの?」という疑問に解決できる内容になっています。
ぜひ一度ご覧になってください。

まとめ
ドログバ、コロ・トゥーレ、ヤヤ・トゥーレ、ジェルビーニョ。
2010年代前後のコートジボワールの選手層は、今振り返っても“背筋がゾクッとする”ほどの選手層を誇っていました。
だからこそ、「コートジボワール」と聞けば、真っ先に彼らの顔が思い浮かびます。
それほどのタレントが揃っていながら、W杯で一度もグループステージを突破したことがない。
この事実は、やはり驚きと言わざるを得ません。
ただ、近年はアフリカネーションズ杯でも優勝し、若手タレントも続々台頭。
3大会ぶりのW杯では、どんなサッカーを見せてくれるのでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!



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